北海道の自殺対策について

北海道地域自殺予防情報センター

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試される大地                               H21.08.31
[ 北海道 ]       北海道の自殺対策について   Vol.001
              〜自殺の実態を知ろう〜
  Hokkaido 
 Government                 発行:北海道地域自殺予防情報センター
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− 発行にあたって −

この度、北海道地域自殺予防情報センターでは、北海道の自殺対策について広く知ってい
ただくため、道民の皆様へ向けてメールマガジンを発行することになりました。
本道における自殺者数は、平成10年に急増して以来、年間1,500人前後で推移しています
。そのうち約7割が男性で、近年では特に働き盛りの年代の自殺が問題となっています。
北海道では、道内における自殺の実態や特徴を踏まえ、予防・危機介入・事後対応など、
精神保健的な視点や社会・経済的な視点から総合的な対策に取り組んでいます。
また、民間団体を含む関係機関・団体と連携して、道民の方々が健やかに生活していける
よう、全道的な自殺対策に取り組んでいきます。
今後、このメールマガジンを通して、道民の皆様に自殺対策などについての情報提供を行
っていきたいと考えています。

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− 目 次 −
【1】北海道における自殺の現状
  ◇道内の自殺者の割合
  ◇性別・世代別による特徴
【2】様々な自殺対策の取り組み
  ◇宮城県の自殺対策リボン
【3】お知らせ
【4】編集後記
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【1】北海道における自殺の現状

◇◇◇◇道内の自殺者の割合◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
北海道保健年報統計によれば、平成19年度の北海道の自殺死亡割合は2.8%です。これは、
がんをはじめとする三大疾病等と比べるとわずかな数であるように思いますが、実際は19
年度だけで1,462人の方が亡くなっており、これは1日約4人の方が自らの命を絶っている
ことになります。

ところで、自殺の統計には2つの種類があることをご存じですか? 上記の保健年報統計
は自殺者の住所地での計上であり、以下に示す北海道警察による統計資料は発見地での計
上であるため、合計自殺者数が異なっています。

◇◇◇◇性別・世代別◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
北海道警察による平成19年度の自殺統計資料によると、道内では1,640人の方が亡くなっ
ており、女性よりも男性の自殺死亡者が多いと言えます。その内訳は、以下の通りです。
○札幌方面 男性;631人  女性;264人
○旭川方面 男性;169人 女性; 60人
○釧路方面 男性;169人  女性; 72人
○函館方面 男性;113人 女性; 43人
○北見方面 男性; 90人  女性; 29人

このように、どの地域でも男性の自殺死亡者数は女性の自殺死亡者数の2〜3倍であること
がわかります。

また、30歳未満を青少年、30歳〜59歳までを中高年、60歳以上を高齢者と分類し、世代別
の自殺者数を以下に示します。
○札幌方面 青少年;126人 中高年;493人 高齢者;276人
○旭川方面 青少年; 20人  中高年;132人 高齢者; 77人
○釧路方面 青少年; 17人  中高年;154人 高齢者; 70人
○函館方面 青少年; 18人  中高年; 93人  高齢者; 45人
○北見方面 青少年; 12人  中高年; 71人  高齢者; 36人

このように、高齢者世代による自殺も多いのですが、圧倒的に働き盛りの年代による自殺
者の多さが目立ちます。

※自殺統計に関する資料は、以下のページでも詳しくご覧いただけます。
URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisathuyoboukanrenzyouhou.htm


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【2】様々な自殺対策の取り組みの紹介

全国での自殺対策に関する様々な取組について紹介していきます。今回は自死遺族の方と
一丸となって、街頭で啓発運動を行っている宮城県での取り組みです。
◇◇◇◇自殺対策リボン◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
〜この町から自殺の悲劇をなくしたい!〜
宮城県では全国に先駆け、自殺対策の啓発運動の一環として自殺対策リボンを作成し、街
頭キャンペーンで配布しました。
リボンの形には「結ぶ・つながる」という意味が込められ、萌黄色は「芽生え」「再生」
「広がり」「生命の息吹」、リボンを縁取るゴールドは「プライド」を示す色となってい
ます。これは自死遺族の方が見失ってしまいがちな、存在価値の回復を望む意味が込めら
れています。このリボンをつけることは、「自殺予防対策活動や自死遺族支援活動を行う
気持ちがある」という意思の表明となります。
1人でも多くの命を自殺から守るために、自殺に対する理解を得ていただこうという思い
から、リボンを配布している取り組みについて紹介致しました。

※自殺対策リボンに関しては、以下のページでご覧いただけます。
URL:http://www.pref.miyagi.jp/syoufuku/data/za/rb.pdf


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【3】お知らせ

・世界保健機構(WHO)は、自殺防止のための行動を促すことを目的とし9月10日を世界自
殺予防デーと設定しています。また、平成19年6月に閣議決定された「自殺総合対策大綱
」においては、国・地方公共団体が連携して幅広い国民の参加による啓発活動を強力に推
進することを目的とし、毎年9月10日から一週間を自殺予防週間と設定しています。
これに合わせて精神保健福祉センターでは、平成21年9月6日(日)に札幌市教育文化会館
小ホールで、「ひとりでも多くの命を救うために」をテーマとした北海道自殺予防フォー
ラムを行います。お誘い合わせの上、ご参加ください。※参加無料。
内容は以下の通りです。
@基調講演
「ひとりでも多くの命を救うために〜現場から見る自殺予防対策」
Aパネルディスカッション
「こころの危機を経験して 今私にできること」
日時:平成21年9月6日(日) 13:30〜16:30
会場:札幌市教育文化会館 小ホール(定員360名) 札幌市中央区北1条西13丁目

・北海道地域自殺予防情報センターではメールマガジンのタイトルを募集しております。
北海道の自殺対策について広く知って頂けるよう、このメルマガのタイトルを公募致しま
す。ふるってご応募ください。皆様のご協力をよろしくお願いします。
応募先はこちら→ 精神保健福祉センター
Mail  hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp


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【4】編集後記

「北海道の自殺対策について〜自殺の実態を知ろう〜」をご購読頂いてありがとうござい
ました。自殺は1人が亡くなると、おおよそ4〜5人のご家族が遺されます。そのため、道
内では年間約6千人の「自死遺族」が生まれている計算になります。このような悲しい思
いをする家族を増やさないよう皆様と協力し、尽力していきたいと思っています。

*お問い合わせ先*
北海道立精神保健福祉センター
札幌市白石区本通16丁目6番34号
Tell 011-864-7121
Fax 011-864-9546
URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ hf/sfc/
Mail hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp