=============================================================================== [北海道] R元.7.31 ・゚・*:.。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゚* Andante **・゜゚・*:.。...:゚・*:.。 Vol.121 〜北海道の自殺対策について〜 Hokkaido 発行:北海道地域自殺対策推進センター Government (北海道立精神保健福祉センター内) =============================================================================== ******************************************************************************** ※『Andante:アンダンテ』とは 「ゆっくりと歩くくらいの速さで」という意味の音楽用語です。ゆっくりと自分にとって 適度なスピードで歩いているとき、私達の視野はいつもよりぐっと広がり、忙しく過ごす 中では見過ごしがちなものに気が付くことがあります。北海道地域自殺対策推進センター では皆さんと共に歩いていけるような「Andante」を配信していきたいと考えています。 -------------------------------------------------------------------------------- − 目 次 − 【1】 北海道における自殺の現状 ◇ 令和元年6月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表] ◇ 令和元年(平成31年)1〜6月の累計自殺者数(速報値)[警察庁] 【2】 自殺について知ろう ◇ 自死遺族への支援 【3】 お知らせ ◇ こころの電話相談 ◇ HP及び携帯HPをご覧ください 【4】 編集後記 -------------------------------------------------------------------------------- ******************************************************************************** 【1】北海道における自殺の現状 ◇令和元年6月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 警察庁より令和元年6月末の月別自殺者数の暫定値が発表されました。 令和元年6月の北海道の自殺者数は72人でした。また、全国の自殺者数は1,573人、そのう ち男性は1,095人、女性は478人でした。 以下に、北海道および全国の前月比と前年同月比の自殺者数を示します。 1. 令和元年6月末と令和元年5月末の月別自殺者数の比較 (単位:人) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 令和元年6月<北海道 72人、全国 1,573人、全国(男性) 1,095人、全国(女性) 478人> 令和元年5月<北海道 92人、全国 1,814人、全国(男性) 1,270人、全国(女性) 544人> 前 月 比<北海道 -20人、全国 -241人、全国(男性) -175人、全国(女性) -66人> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 令和元年6月の自殺者数は、前月比では、北海道・全国・全国男性・全国女性において減 少でした。都道府県別では、自殺者数が増加したのは12、減少したのは35、変化なしは0 でした。 2. 令和元年6月末と平成30年6月末の月別自殺者数の比較 (単位:人) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 令和元年6月<北海道 72人、全国 1,573人、全国(男性) 1,095人、全国(女性) 478人> 平成30年6月<北海道 89人、全国 1,740人、全国(男性) 1,194人、全国(女性) 546人> 前 年 比<北海道 -17人、全国 -167人、全国(男性) -99人、全国(女性) -68人> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 前年同月比では、北海道・全国・全国男性・全国女性において減少でした。また、都道府 県別でみると、自殺者数が増加したのは17、減少したのは28、増減なしは2でした。 ◇令和元年(平成31年)1〜6月の累計自殺者数(速報値)[警察庁]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 今回は、全国及び北海道の令和元年の半年(1月〜6月)中の自殺者数についてまとめます。 1. 令和元年と平成30年の北海道と全国の1〜6月の累計自殺者数(単位:人) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 北海道 全国 全国男性 全国女性 R元(速報値) 490 10230 7199 3031 H30(確定値) 500 10673 7368 3305 前 年 比 -10 -443 -169 -274 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 令和元年1月〜6月中の自殺者数は、前年に比べ、北海道・全国・全国男性・全国女性のす べてにおいて減少しています。 2. 令和元年と平成30年の北海道における半年間の月別自殺者数(単位:人) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1月 2月 3月 4月 5月 6月 R元(速報値) 77 83 80 89 90 71 H30(確定値) 71 64 99 83 94 89 前 年 比 +6 +19 -19 +6 -4 -18 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 月別では、令和元年の1〜6月の北海道で自殺者が最も多かったのは5月の90人でした。最 も少なかったのは6月の71人でした。1〜6月の中で、前年よりも月別自殺者数が増加した のは1月・2月・4月、減少したのは3月・5月・6月でした。 3. 令和元年と平成30年の全国における半年間の月別自殺者数(単位:人) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1月 2月 3月 4月 5月 6月 R元(速報値) 1669 1601 1827 1778 1788 1567 H30(確定値) 1641 1599 2005 1825 1863 1740 前 年 比 +28 +2 -178 -47 -75 -173 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 月別では、令和元年1〜6月の北海道で自殺者が最も多かったのは3月の1,827人でした。最 も少なかったのは2月の1,601人でした。1〜6月の中で、前年よりも月別自殺者数が増加し たのは1月・2月、減少したのは3月・4月・5月・6月でした。 参考文献 「自殺統計」、警察庁 ******************************************************************************** 【2】自殺について知ろう ◇自死遺族への支援◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ Andanteでは、自死遺族へのサポートに関して、Vol.10:自死に関する制度や相談窓口の 紹介、vol.68:自死遺族の方が抱く感情について、vol.100:実際に支援を行っていく際 の注意点などについて取り扱いました。今回は、主たる支援の一つである自助グループが 持つ機能及び効果、そして北海道にある自助グループの連絡先についてまとめたいと思い ます。 自殺対策基本法第22条において、「国および地方公共団体は、民間の団体が行う自殺の防 止、自殺者の親族等の支援等に関する活動を支援するため、助言、財政上の措置その他の 必要な施策を講ずるものとする」と規定されています。また、自殺総合対策大綱では、 「自殺により遺された人等に対する迅速な支援を行うとともに、全国どこでも、関連施策 を含めた必要な支援情報を得ることができるよう情報提供を推進するなど、支援を充実す る。また、遺族の自助グループ等の地域における活動を支援する」とされ、「地域におけ る遺族の自助グループ等の運営、相談機関の遺族等への周知を支援するとともに、精神保 健福祉センターや保健所の保健師等による遺族等への相談体制を充実する」ことが掲げら れています。『ワンストップ支援における留意点』(2018)によると、「自助グループと は、同じ問題を抱える者同士が集まり、体験や願いを語り合うことで、互いに援助し、回 復を目指す集団およびその活動である。」とされています。また、自助グループの機能及 び効果は以下の7点が挙げられています。 ・共同体意識と相互支援 ・社会から隔絶されたような状況において、共感性の高い環境を提供し、帰属意識を得る ことができる ・最終的には、「通常の状態」が得られるという希望 ・困難を感じるような特別の記念日や、特別な出来事への対処の仕方を学ぶ機会が得られ る ・問題解決のための新しい方法を学ぶ機会が得られる ・恐怖や心配について、安心して語ることのできる場 ・悲しみを自由に表すことが受け容れられ、秘密が守られ、共感的であり、批判されるこ となく接してもらえる場 自死によって家族を喪うという体験は、突然であり、衝撃は強く、悲しみは重く、複雑な 感情が長く続きます。家族は否認や怒り、混乱や無力感、自責感という様々な感情に悩ま されます。それにも関わらず、自死であるが故にこの感情について語りあい、死を十分に 悼むということができず、家庭という場においてもご自身の気持ちを押し殺さなくてはな らない状況があります。自助グループはこうした方の心の傷を癒やし、安全に語れる場と 時間を提供してくれるものとなります。 北海道においても自死遺族の方を対象とした自助グループ、相談援助グループがあり、精 力的に活動されていますのでご紹介します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 全道自死遺族ネットワーク連絡先一覧 自死遺族のための交流会 〒003-0027 札幌市白石区本通16丁目北6番34号 北海道立精神保健福祉センター 連絡先:011-864-7000 自死遺族の思いを語る集い「癒しの会」 〒004-0839 札幌市清田区真栄434-1 アンデルセン福祉村 日本医療大学 連絡先:090-5076-0399 分かちあいの会・ネモフィラ 連絡先:nemophila6004@yahoo.co.jp 自死遺族のつどい「道南わかちあいの会 あかり」 〒040-0001 函館市五稜郭町23-1 函館市総合保健センター 連絡先:0138-23-2504 旭川自死遺族わかちあいの会 〒070-8525 旭川市7条通10丁目第2庁舎 旭川市保健所 連絡先:0166-25-6364 そよ風の会 〒080-8588 帯広市東3条南3丁目1番地 帯広保健所 連絡先:0155-26-9085 自死遺族のための「わかちあいの会With(ウィズ)」 〒093-0073 網走市北3条西4丁目 網走市保健センター 連絡先:0152-43-8450 abashiri.with@city.abashiri.hokkaido.jp −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 参考文献 『ワンストップ支援における留意点−複雑・困難な背景を有する人々を支援するための手 引−』、2018、一般社団法人日本うつ病センター 『Q&A自殺対策計画策定ハンドブック』、2018、本橋豊編著、株式会社ぎょうせい発行 「自死遺族等を支えるために〜総合的支援の手引」、2018、本橋豊・藤田幸司 編著、自 殺総合対策推進センター 発行・編集 ******************************************************************************** 【3】お知らせ ◇ 精神保健福祉センターでは、こころの電話相談を次の時間帯で行っています。 月曜から金曜日 9:00〜21:00 土曜日曜祝日(12月29日〜1月3日を除く) 10:00〜16:00 Tel:0570-064-556 ※ご相談の電話が集中しますと、つながりづらい状態になりますがご了承ください。 ◇ HP・携帯版HPをご覧ください 北海道地域自殺対策推進センターのHPを開設しています。最新の北海道の状況を掲載して おり、より情報を見やすく、分かりやすくお伝えできるよう心がけています。 パソコンHP URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm また、携帯電話で見ることができる携帯版HPも開設しています。警察庁および北海道警察 から公表された統計資料をもとに、北海道における自殺の状況を掲載しています。こちら も併せてご覧ください。 携帯HP URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/i/joukyou.htm ******************************************************************************** 【4】編集後記 北海道では少しずつ気温も高くなってきており、いよいよ夏到来といった陽気になってき ています。筆者は毎年夏バテに悩まされておりまして、食欲が沸かない中、何を食べよう か頭を悩まされます。いつかクーラーのある生活がしてみたいものです。 さて、7月16日に令和元年版自殺対策白書が閣議決定されました。書籍になるのは来月以 降になると思われますが、厚生労働省のホームページではすでにデータが公表されていま す。興味ある方は是非ご一覧ください。 いつもご愛読ありがとうございます。 次号Vol.122は、令和元年(2019年)8月末に配信予定です。 *お問い合わせ先* 北海道立精神保健福祉センター 札幌市白石区本通16丁目北6番34号 Tel 011-864-7121 Fax 011-864-9546 URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/ Mail hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp