北海道の自殺対策について

北海道地域自殺予防情報センター

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試される大地                               H21.10.29
[ 北海道 ]        北海道の自殺対策について      Vol.003
〜自殺の実態を知ろう〜
  Hokkaido 
 Government                  発行:北海道地域自殺予防情報センター
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− 発行にあたって −
※タイトルを募集しています。
メールマガジンをご覧いただいてありがとうございます。
北海道地域自殺予防情報センターでは「北海道の自殺対策について」という題名に代わる
タイトルを広く募集しております。皆さまと共に自殺について考えていけるようなメール
マガジンにしていきたいと考えています。たくさんのご応募、お待ちしております。

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− 目 次 −
【1】北海道における自殺の現状
 ◇最新のデータ
 ◇動機別自殺者数
【2】本の紹介
 ◇自殺って言えなかった〜自死遺族の方々の手記〜
【3】お知らせ
 ◇タイトル募集
【4】編集後記
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【1】北海道における自殺の現状

◇◇◇◇最新のデータ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
警察庁から平成21年9月までの月別自殺者数が公表されました。これによると、平成21年1
月から9月までの全国の自殺者数は24,846人であることが分かりました。これは、1日に約
92人の方が亡くなっているということです。また北海道の同期間の合計自殺者数は1,237
人であり、これは1ヶ月に約137人の方が、1日に約5人の方が亡くなっていることになりま
す。
前年同期間の全国の自殺者数は24,105人でした。また、北海道の自殺者数は1,316人であ
り、昨年は1ヶ月に146人の方が亡くなっていたということになります。

◇◇◇◇動機別自殺者数◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
平成20年の北海道における自殺者数は1,726名(男性1,215人、女性511人)でした。動機別
の内訳を見てみると、以下のようになります。
※動機については、3つまで選択可能になっているため、実数よりも多くなっています。

<平成20年 原因・動機別自殺者数>
              合計        男性       女性
●健康問題      695人(31.4%)   371人(23.6%)   324人(50.6%)
●経済・生活問題   479人(21.6%)   434人(27.6%)    45人( 7.0%)
●家庭問題      228人(10.3%)   139人( 8.8%)       89人(13.9%)
●勤務問題       147人( 6.6%)    132人( 8.4%)     15人( 2.3%)
●男女問題        88人( 4.0%)       51人( 3.2%)       37人( 5.8%)
●学校問題        32人( 1.4%)      26人( 1.7%)      6人( 0.9%)
●その他        81人( 3.7%)     60人( 3.8%)     21人( 3.3%)
●不詳         463人(20.9%)   360人(22.9%)   103人(16.1%)

不詳の463人を除き、いずれかの動機が特定された1,263人に着目すると、平均して約1.39
個の動機を持っているといえます。
また、男性は「経済・生活問題」「健康問題」が、女性では「健康問題」「家庭問題」が
多いことがわかります。

※自殺統計に関する資料は、以下のページでもご覧いただけます。
URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisathuyoboukanrenzyouhou.htm


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【2】本の紹介

今回は、自死によって親を亡くし“あしなが育英会”から奨学金を受けている大学生、専
門学校生が中心となり、その思いをつづった「自殺って言えなかった」という本の紹介を
したいと思います。この本は、自死遺族をはじめ、多くの方々に前向きに生きて欲しいと
いう祈りが込められれた1冊です。
◇◇◇◇自殺って言えなかった〜自死遺族の方々の手記〜◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あしなが育英会によると、1998年に奨学金を受けた自死遺児は21人でしたが、2001年度に
は8.5倍の178人にまで増えているといいます。親を自死で失った子どもたちは想像を絶す
るほどに苦しみ、自責の念にかられています。このような「自殺って言えなかった」心の
うちが、たくさんの壁を乗り越えながらも、少しずつ「親は自殺した」と仲間に言えるよ
うになる過程が本人の言葉でつづられています。
手記の中に「しゃべってもいいのだ」という一文があります。この言葉は、父親の自死を
打ち明けることで、変な目で見られるかもしれない不安を抱え、母親には‘誰にも言って
はいけいない’と言われたことから、そのことを隠し続けてきた1人の学生の言葉です。
しかし、自分史を語る奨学生のつどいの中で、仲間が父親の自死を打ち明けたことによっ
て、自分も「しゃべってもいいのだ」と衝撃を受けたということが書かれていました。そ
して、これを機に自分の体験が話せるようになり、自分の気持ちを素直に考え、ようやく
本当に気持ちの整理ができたといいます。
奨学生のつどいのルールの1つとして、「話したくなければ話さなくてもいい」というル
ールがあります。しかし、話したいことは話せた方がいい、そのような環境があることが
必要なのだと思います。
この本を読まれた方は、どのような感想を持たれたでしょうか?


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【3】お知らせ

◇精神保健福祉センターでは、こころの電話相談の相談時間を延長しました。月曜日から
金曜日までは9:00〜21:00、土曜日曜祝日は10:00〜16:00まで受け付けております(1
2月29日〜1月3日を除く)。                Tell:0570-064556

※電話回線が1回線しかないため、ご相談の電話が集中しますとつながりづらい状態にな
りますが、ご了承ください。
※札幌市民の方は札幌こころのセンター(札幌市精神保健福祉センター)の相談をご利用く
ださい。                           Tell:011-622-0556

◇北海道地域自殺予防情報センターではメールマガジンのタイトルを募集しております。
北海道の自殺対策について広く知っていただけるよう、皆様のご協力をよろしくお願いし
ます。


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【4】編集後記

「北海道の自殺対策について〜自殺の実態を知ろう〜」をご覧頂きありがとうございます
。スタートしたばかりで、内容もご満足いただけないところがあるかと思いますが、北海
道地域自殺予防情報センターでは、皆様に少しでも関心をもっていただけるようなメール
マガジンを配信していけるよう心がけていきます。今後ともご愛読をお願いします。
また、自殺対策に関しての知りたい情報など、メールマガジンに対するご要望等がござい
ましたら、下記の問い合わせ先までご連絡ください。皆様からのご連絡、お待ちしており
ます。
次回Vol.4は11月末に配信予定です。


*お問い合わせ先*
北海道立精神保健福祉センター
札幌市白石区本通16丁目6番34号
Tell 011-864-7121
Fax 011-864-9546
URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ hf/sfc/
Mail hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp