北海道の自殺対策について 北海道地域自殺予防情報センター =============================================================================== 試される大地 H21.11.30 [ 北海道 ] 北海道の自殺対策について Vol.004 〜自殺の実態を知ろう〜 Hokkaido Government 発行:北海道地域自殺予防情報センター =============================================================================== ******************************************************************************** ※タイトルを募集、締め切り迫る。 メールマガジンのタイトルを募集しております。 北海道地域自殺予防情報センターでは「北海道の自殺対策について」という題名に代わる タイトルを広く募集しております。皆さまと共に自殺について考えていけるような内容に していきたいと考えています。 まだ間に合います。たくさんのご応募、お待ちしております。 -------------------------------------------------------------------------------- − 目 次 − 【1】北海道における自殺の現状 ◇青少年の自殺 ◇性別ごとの年次推移 ◇方面別による特徴 【2】子どもの自殺予防 ◇子どもの自殺 ◇青少年の精神疾患 【3】お知らせ ◇メールマガジン タイトル募集中 ◇こころの電話相談 受付時間の延長 ◇HPを開設しました ◇北海道自殺予防対策連絡会議について ◇相談・支援者のための「自殺予防ゲートキーパー」研修 【4】編集後記 -------------------------------------------------------------------------------- ******************************************************************************** 【1】北海道における自殺の現状 ◇◇◇◇青少年の自殺◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 北海道警察による平成20年の自殺統計資料によると、道内では1,726人の方が亡くなって おり、その内230人が30歳未満の方です。青少年の自殺は他の年代と比べると数こそ少な いものの、10代20代の主要な死因の上位を占めています。 今回は青少年の自殺について焦点を当てて見ていきたいと思います。 ※便宜上30歳未満を青少年、30歳〜59歳までを中高年、60歳以上を高齢者としています。 ◇◇◇◇性別ごとの年次推移◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 平成17年から平成20年までの青少年の自殺者数と割合の推移を性別ごとに示します。 ○平成17年:190人 男性:130人(68%) 女性:60人(32%) ○平成18年:213人 男性:153人(72%) 女性:60人(28%) ○平成19年:193人 男性:135人(70%) 女性:58人(30%) ○平成20年:230人[+19.1%] 男性:156人(68%)[+15.5%]女性:74人(32%)[+27.5%] 男女の割合は概ね7:3となっています。これは全体の自殺者の割合と同様の特徴です。女 性の年次推移は大きくは変わりませんが、男性は年ごとに20人前後の違いが見られます。 特に平成19年から平成20年では男女ともに増加しており、平成20年の前年度比は全体では 19.1%増加しており、女性は27.5%も増加していることが分かりました。 ◇◇◇◇方面別による特徴◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 最も新しい平成20年と19年とを比べ、警察署の管内別に札幌・旭川・釧路・函館・北見方 面に分けて青少年の自殺者数と割合を見てみます。 ○札幌方面:148人 22人増[+17%] 男性:99人(67%) 女性:49人(33%) ○旭川方面: 21人 1人増[+ 5%] 男性:11人(52%) 女性:10人(48%) ○釧路方面: 30人 7人増[+30%] 男性:24人(80%) 女性: 6人(20%) ○函館方面: 19人 1人増[+ 6%] 男性:14人(74%) 女性: 5人(26%) ○北見方面: 12人 増減無[ 0%] 男性: 8人(67%) 女性: 4人(33%) 青少年の自殺者数は札幌方面が最も多く、この年代では全体の64%を占めています。また 札幌方面を除く他の地域での増減は多くはないのですが、釧路方面での増加が目立ちます 。 割合で見ると他の年代や全体の傾向と同様に男女比は概ね7:3ですが、旭川方面において はほぼ男女の差がないように見えます。反対に釧路方面では男性の割合が高くなっていま す。 ※自殺統計に関する資料は、以下のページでも詳しくご覧いただけます。ご参照ください 。 URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisathuyoboukanrenzyouhou.htm ******************************************************************************** 【2】子どもの自殺予防 今回は子どもの自殺について考えていきたいと思います。 ◇◇◇◇子どもの自殺◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 北海道でも10歳未満の子どもの自殺は稀ですが、自殺念慮がないとは言えません。年少の 子どもの場合、衝動的に首を吊ったり高いところから飛び降りるという、死ぬ可能性の高 い行動をとる危険性もあります。 また、子どもの自殺行動はメディアの影響を受けやすいことも懸念されます。歌手や俳優 などの自殺報道の後に群発的に自殺が増える傾向があるようです。これはかつてヨーロッ パでゲーテの小説を読んで自殺者が増えたことを受けて、『ウェルテル効果』と呼ばれて います。 また、子どもの自殺の背景にある心理的特徴は、衝動的で攻撃性の強さがあるとも言われ ています。自殺の直接的な動機は親との関係、家庭や学校での生活環境によって左右され やすく、社会的な支援や、孤独にしないことなどが自殺を防ぐ重要な要因となります。 ◇◇◇◇青少年の精神疾患◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 青少年に限ったことではありませんが、自殺の背景には精神疾患が隠れていると言われて います。自殺で亡くなられた方の多くはうつ病などのこころの問題を抱え、しかも誰かに 相談したり相談機関にかかったことがないという場合が多くあります。また、青少年期に は二次性徴、ホルモン・神経伝達物質の変動という身体的変化に伴い、攻撃・破壊・性衝 動・自殺などの衝動性が亢進する時期でもあります。青少年の精神的な疾患は身体的な変 化に伴い危険性も高くなるにかかわらず、気付かれにくいとも言われています。 特に青少年期に診断される障害や精神的な疾患は以下のようなものが挙げられます。 ・広汎性発達障害 ・行為障害 ・うつ病 ・統合失調症 ・パーソナリティ障害 これらが直接自殺に結びつくわけではありませんが、こうした障害があることで考えや視 野が狭くなり他に方法がないと思いこんでしまったり、突発的な感情の高まりにより、結 果として自殺に至る場合があります。また、薬物やアルコールを乱用することで気分障害 が高まり、自殺する危険性もあります。広汎性発達障害の中には衝動性の強い特性をもつ 場合があるため、自殺との関連が挙げられることがあります。 自殺予防のためには、青少年期の心身の特性と精神疾患を理解し、早期発見・早期治療に つなげることが重要です。 ******************************************************************************** 【3】お知らせ ◇メールマガジン タイトル募集中 北海道地域自殺予防情報センターではメールマガジンのタイトルを募集しております。締 め切りは今月末までです。まだ間に合います。皆様のご協力をよろしくお願いします。 ◇こころの電話相談 受付時間の延長 精神保健福祉センターでは、こころの電話相談の相談時間を延長しました。 月曜日から金曜日までは9:00〜21:00、土曜日曜祝日は10:00〜16:00まで受け付けて おります(12月29日〜1月3日を除く)。電話回線が1回線しかないため、ご相談の電話が 集中しますとつながりづらい状態になりますので、ご了承ください。 Tell:0570-064556 ※札幌市民の方は札幌こころのセンター(札幌市精神保健福祉センター)をご利用ください 。 Tell:011-622-0556 ◇HPを開設しました 北海道地域自殺予防情報センターのHPができました。 より情報を見やすく、分かりやすくなるよう心がけました。充実した内容になるよう、努 めていきたいと思います。是非ご覧ください。 URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm ◇平成21年度 第1回北海道自殺予防対策連絡会議について 平成21年度 第1回北海道自殺予防対策連絡会議が11月18日(水)に行われました。これま での27の構成機関団体に、新たに10団体が加わり37団体が構成機関となりました。 北海道自殺対策行動計画の推進や自殺対策緊急強化基金、及び自殺予防ゲートキーパー研 修についての話し合い等が行われました。また、自死遺族の思いを語る集い「癒しの会」 から当事者の方の参加もあり充実した内容となりました。 ◇相談・支援者のための「自殺予防ゲートキーパー」研修 地域や医療・保健・福祉、労働、教育等の様々な分野で相談支援活動を行っている方を対 象に「自殺予防ゲートキーパー」研修が11月21日〜22日の二日間に渡って網走で開催され ました。この研修は道内6ヶ所で行われる予定で、次回は12月12日〜13日に旭川で開催さ れます。詳しくは当センターまでお問い合わせください。 ******************************************************************************** 【4】編集後記 「北海道の自殺対策について〜自殺の実態を知ろう〜」をご覧頂いてありがとうございま す。北海道ではついに雪が降り、日照時間はますます短くなるので意識的にひなたぼっこ をするようにしています。それでも朝夕は特に寒いので、防寒対策はしっかりするように しています。皆さんも体調には気を付けてお過ごしください。 次回Vol.5は12月末に配信予定です。 *お問い合わせ先* 北海道立精神保健福祉センター 札幌市白石区本通16丁目6番34号 Tell 011-864-7121 Fax 011-864-9546 URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ hf/sfc/ Mail hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp