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[北海道]                               H25.4.30
・゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゚* Andante **・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。  Vol.046
              〜北海道の自殺対策について〜

 Hokkaido                 発行:北海道地域自殺予防情報センター
 Government                 (北海道立精神保健福祉センター内)
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※『Andante:アンダンテ』とは
音楽用語で「ゆっくりと歩くくらいの速さで」という意味があります。他者に合わせるの
ではなく、自分なりのペースで歩いていきましょう、という意味が込められています。北
海道地域自殺予防情報センターでは、皆さんと共に歩いていけるような「Andante」を配
信していきたいと考えています。


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− 目 次 −
【1】 北海道における自殺の現状
◇ 平成25年3月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]
◇ 平成22年から24年、季節ごとの自殺者数の比較
【2】 自殺問題について知ろう
◇ 国際的に見た日本の自殺の状況
【3】 お知らせ
◇ こころの電話相談
◇ HP及び携帯HPをご覧ください
【4】 編集後記

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【1】北海道における自殺の現状

◇平成25年3月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
警察庁より平成25年3月末の月別自殺者数の暫定値が発表されました。
平成25年3月の北海道の自殺者数は114人でした。また、全国の自殺者数は2,435人、その
うち男性は1,712人、女性は723人でした。
以下に、北海道および全国の前月比と前年同月比の自殺者数を示します。

1.平成25年3月末と平成25年2月末の月別自殺者数の比較 (単位:人)
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H25年3月<北海道114人、全国2,435人、全国(男性)1,712人、全国(女性)723人>
H25年2月<北海道87人、全国2,135人、全国(男性)1,491人、全国(女性)644人>
先月比<北海道+27人、全国+300人、全国(男性)+221人、全国(女性)+79人>
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平成25年3月の自殺者数は、前月比では北海道、全国、全国男性、全国女性の全てで増加
しました。また、都道府県別では、自殺者数が増加したのは32、減少したのは12、増減な
しは3でした。

2. 平成25年3月末と平成24年3月末の月別自殺者数の比較 (単位:人)
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H25年3月<北海道114人、全国2,435人、全国(男性)1,712人、全国(女性)723人>
H24年3月<北海道111人、全国2,588人、全国(男性)1,829人、全国(女性)759人>
前年度比<北海道+3人、全国−153人、全国(男性) −117人、全国(女性)−36人>
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前年同月比においては、北海道は若干数増加、全国、全国男性、全国女性で減少となりま
した。また、都道府県別でみると、自殺者数が増加したのは20、減少したのは25、増減な
しは2でした。

◇平成22年から24年、季節ごとの自殺者数の比較◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
1年間の自殺者数の推移を見るとひと月ごとに大きく違うこともありますが、その他に季
節ごと時期ごとに特徴が見受けられる場合があります。そこで、今回は平成22年から24年
の1年間を春夏秋冬の4期に分けて、季節ごとに北海道の自殺者数についてまとめていきた
いと思います。以下の自殺者数は警察庁発表の確定値をもとに集計したものです。ただし
冬(12月、1月、2月)は、年をまたぐため、集計上前年12月のデータを用いています。
まず、春(3月、4月、5月)の北海道の自殺者数は、平成22年422人、平成23年385人、平
成24年337人、3年間で合計1,144人でした。次に、夏(6月、7月、8月)の自殺者数は、平
成22年393人、平成23年406人、平成24年371人、合計1,170人でした。そして、秋(9月、
10月、11月)の自殺者数は、平成22年395人、平成23年366人、平成24年302人、合計1,063
人でした。最後に冬(12月、1月、2月)の自殺者数は、平成22年333人、平成23年298人、
平成24年291人、合計922人でした。
北海道では、季節ごとの特徴として秋と冬に自殺者数が減少し、春と夏に自殺者数が増加
する傾向があるようです。また、全国においても、三年間で春24,424人、夏23,642人、秋
21,732人、冬20,860人となっており、北海道と似た傾向があり春の自殺者数が最も多く、
夏、秋、冬と自殺者数が減少する形になっています。
次に、北海道の自殺者数を各季節、年ごとに比較すると、春と秋の自殺者数が年々減少し
ている様子が見受けられます。しかしその一方で、夏と冬の自殺者数は若干数の増加、減
少にとどまりあまり変化は見られません。春と秋の自殺者数減少の背景として、この時期
に行っていた自殺対策強化月間の成果が考えられます。
季節ごとの自殺者数、年度による自殺者数の推移をまとめると、北海道の場合、特に夏に
おいての自殺者数が多く、また年度比較においても自殺者数にあまり変化がないという状
況になっています。今後は、夏の自殺者数の増加に注意し、何らかの対策を講じた方が良
いかもしれません。

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【2】自殺問題について知ろう

◇国際的に見た日本の自殺の状況◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
日本の自殺率は年々少しずつ減少してきていますが、そもそも日本の自殺者数がどの程度
高いものなのか、あるいは低いものなのか、国際的に比較することで検討していきたいと
思います。
内閣府発行の平成24年度版自殺対策白書によりますと、主要8カ国の年齢階級別人口10万
人対死亡者数について、世界保健機関によれば、ロシア(2006)30.1、日本(2009)24.4、フ
ランス(2007)16.3、ドイツ(2006)11.9、カナダ(2004)11.3、米国(2005)11.0、英国(2009)
6.9、イタリア(2007)6.3となっています。つまり、主要8カ国の中で日本はロシアに続い
て2番目に自殺の多い国となっていることが分かります。特にロシア、日本、フランスの
上位3カ国は下位の5カ国と大きな差があり注意が必要です。また、いずれの国においても
女性よりも男性の方が、2倍から5倍自殺率が高くなっており、自殺という問題が国境・文
化に関係なく性差が存在するという点も特徴的です。
ほかに、日本の自殺の特徴として低年齢層での自殺者が多いという点も挙げられます。そ
こで、日本の低年齢層の自殺が、国際的にはどの位置にあるのかまとめていきたいと思い
ます。
平成24年度版自殺対策白書によりますと、15歳から34歳の自殺の年齢階級別人口10万人対
死亡者数は日本(2006)18.5、フランス(2005)11.0、ドイツ(2006)7.0、カナダ(2004)12.2
、米国(2005)11.2、英国(2006)6.8、イタリア(2003)5.1となっています。それぞれ比較年
度に違いはありますが、これら先進7カ国の中で日本が最も若年層の自殺が多いという結
果になっています。2位のフランスとの間の差も大きく注意が必要です。なお、近隣であ
る韓国(2006)は12.6であることからも、日本の若年層の自殺者数の多さがうかがえます。
さらに、先進7カ国の中で若年層の自殺が死因の1位となっているのは日本のみであり、ま
た自殺の死亡率が事故の死亡率よりも高くなっているのが日本だけであるという事実も、
日本の自殺問題において大きな課題といえるでしょう。
日本の自殺者数は年々減少の傾向にありますが、国際的にみてもいまだに日本の自殺の現
状は楽観視できない状況にあり、今後も継続して注意していく必要があるでしょう。また
、働き盛りである若年層の自殺は、国際的に見ても自殺率が高くなっており、日本の自殺
問題における一つの課題となっています。

参考資料
『平成24年度版 自殺対策白書』 内閣府発行

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【3】お知らせ

◇ 精神保健福祉センターでは、こころの電話相談を次の時間帯で受け付けています。
        月曜日から金曜日                9:00 〜 21:00
        土曜日曜祝日(12月29日〜1月3日を除く)  10:00 〜 16:00
                              Tel:0570-064556
※ご相談の電話が集中しますと、つながりづらい状態になりますがご了承ください。

◇ HP・携帯版HPをご覧ください
北海道地域自殺予防情報センターのHPを開設しています。最新の北海道の状況を掲載して
おり、より情報を見やすく、分かりやすくお伝えできるよう心がけています。うつ病や依
存症、借金問題についての知識をはじめ、「死にたい」と相談されたときの対応方法につ
いて、Q&A形式で紹介しています。ぜひご覧ください。
        パソコンHP  URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm

また、携帯電話で見ることができる携帯版HPも開設しています。警察庁および北海道警察
から公表された統計資料をもとに、北海道における自殺の状況を掲載しています。こちら
も併せてご覧ください。
                携帯HP  URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/i/joukyou.htm

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【4】編集後記

最近は長く雪で埋まっていた地面も見えてきて、そろそろ春の草花が芽吹いてきそうです
ね。晴れた日には、散歩やサイクリングをするのも気持ちよさそうです。ただ、身近なと
ころで、花粉症で苦労されている方やインフルエンザにかかってしまったというお話しも
聞いております。皆様もお体には十分気をつけて日々お過ごしください。
平成25年度、最初のメールマガジンの発行となりました。
「Andante」制作陣も一新し、不慣れな面も見られるかと思いますが今後も変わらぬご愛
顧よろしくお願いいたします。

次回Vol.47は5月末に配信予定です。

                               *お問い合わせ先*
                          北海道立精神保健福祉センター
                        札幌市白石区本通16丁目北6番34号
                                Tel 011-864-7121
                                Fax 011-864-9546
                  URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ hf/sfc/
                   Mail hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp