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[北海道]                               H25.7.31
・゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゚* Andante **・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。  Vol.049
              〜北海道の自殺対策について〜

 Hokkaido                 発行:北海道地域自殺予防情報センター
 Government                 (北海道立精神保健福祉センター内)
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※『Andante:アンダンテ』とは
音楽用語で「ゆっくりと歩くくらいの速さで」という意味があります。他者に合わせるの
ではなく、自分なりのペースで歩いていきましょう、という意味が込められています。
北海道地域自殺予防情報センターでは、皆さんと共に歩いていけるような「Andante」を
配信していきたいと考えています。
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− 目 次 −
【1】 北海道における自殺の現状
 ◇ 平成25年6月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]
 ◇ 平成25年1月〜6月の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]
【2】 自殺について知ろう
 ◇ 過労自殺と労災認定について
【3】 お知らせ
 ◇ 平成25年度『第8回北海道自殺対策フォーラム』について
 ◇ こころの電話相談
 ◇ HP及び携帯HPをご覧ください
【4】 編集後記

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【1】北海道における自殺の現状

◇平成25年6月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
警察庁より平成25年6月末の月別自殺者数の暫定値が発表されました。
平成25年6月の北海道の自殺者数は107人でした。また、全国の自殺者数は2,284人、その
うち男性は1,553人、女性は731人でした。
以下に、北海道および全国の前月比と前年同月比の自殺者数を示します。

1. 平成25年5月末と平成25年6月末の月別自殺者数の比較 (単位:人)
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H25年6月<北海道 107人、全国2,284人、全国(男性)1,553人、全国(女性)731人>
H25年5月<北海道 126人、全国2,514人、全国(男性)1,730人、全国(女性)784人>
前 月 比<北海道 -19人、全国 -230人、全国(男性) -177人、全国(女性)-53人>
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平成25年6月の自殺者数は、前月比では北海道、全国、全国男性、全国女性の全てで減少 
しました。また都道府県別では、自殺者数が増加したのは15、減少したのは32でした。

2. 平成25年6月末と平成24年6月末の月別自殺者数の比較 (単位:人)
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H25年6月<北海道 107人、全国2,284人、全国(男性)1,553人、全国(女性)731人>
H24年6月<北海道 113人、全国2,313人、全国(男性)1,631人、全国(女性)682人>
前 年 比<北海道 -6人、全国 -29人、全国(男性) -78人、全国(女性)+49人>
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前年同月比においては北海道、全国、全国男性が減少しましたが、全国女性は増加しまし
た。また都道府県別でみると、自殺者数が増加したのは23、減少したのは24でした。

◇平成25年1月〜6月の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
警察庁による平成25年1月〜6月の自殺者数(暫定値)が公表されました。
以下に、北海道および全国の前年同期比の自殺者数を示します。

1. 平成25年1月〜6月と平成24年1月〜6月の自殺者数の比較 (単位:人)
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H25年1〜6月<北海道 627、全国14,228、全国(男性) 9,918、全国(女性)4,310>
H24年1〜6月<北海道 647、全国14,294、全国(男性)10,009、全国(女性)4,285>
前年同期比 <北海道 -20、全国  -66、全国(男性)  -91、全国(女性) +25>
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平成25年1月〜6月の全国の自殺者数は14,228人で、前年同期の14,294人と比べて66人
(0.46%)減少しました。1万5千人を下回るのは昨年に続いて2年連続です。男女別で見
ると男性は66人減少しましたが、女性は25人の増加でした。
北海道の自殺者数は627人で前年同期の647人と比べて20人(3.1%)の減少でした。

都道府県別では、自殺者数が最も多いのは東京都の1,412人で、神奈川県が830人、愛知県
が807人と続きます。北海道は8位でした。
前年同期との差では、大阪府の自殺者数が803人で前年の908人から105人減り、埼玉県が
830人から746人になり84人減です。北海道の20人減は9位でした。一方で50人以上の増加
に転じた県もあります。都道府県別の増減では増加が26、減少は21となりました。
北海道のみならず全国的な減少傾向が続くことを願いつつ、今後の動向を注視したいと思
います。

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【2】自殺について知ろう

◇過労自殺と労災認定について◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
厚生労働省が6月に平成24年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を公表しま
した。これは、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスな
どが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数や「業務上疾病」と認定し労
災保険給付を決定した支給決定件数を、平成14年から年1回取りまとめているものです。
自殺については、平成11年の通達により「業務上の精神障害によって、正常の認識、行
為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害
されている状態で自殺が行われたと認められる場合」に業務上の死亡と認められるように
なりました。

平成24年度は精神障害の労災認定件数が475件(前年度比150件増)と過去最多になりまし
た。この中には自殺と自殺未遂が93件含まれ、こちらも前年度比27件増で、過去最多でし
た。北海道では労災認定件数が27件で前年比9件増、うち自殺と自殺未遂は前年と同じ5件
でした。
自殺と自殺未遂の内訳は公表されていないので、ここでは自殺と未遂を合わせた93件につ
いて、詳しく見ていきたいと思います。
精神障害の発症原因とされる具体的な出来事については、「仕事内容・仕事量の(大き
な)変化」が19件と最も多く、「1か月に80時間以上の時間外労働」が8件と、「2週間以
上にわたる連続勤務」が7件でした。仕事の量・質が主要な原因となっています。他に 
「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が10件ありました。
年齢別では40〜49歳が31件、30〜39歳が23件、20〜29歳が20件、50〜59歳が11件、60歳以
上が7件、19歳以下が1件でした。
自殺または未遂により労災補償を請求し、さらに認定されるのはごく一部分で、実際には
その何倍もの方が、過重な仕事によって自殺または未遂に追い込まれているのではないで
しょうか。職場における自殺予防、メンタルヘルス対策へのいっそうの取り組みが求めら
れます。

参考資料:厚生労働省『平成24年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ』

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【3】お知らせ

◇ 平成25年度『第8回北海道自殺対策フォーラム』を開催いたします。
日 時:平成25年9月7日(土) 13:15〜16:30
場 所:札幌市教育文化会館(札幌市中央区北1条西13丁目)小ホール
テーマ:〜依存症問題と自殺〜
報 告:@「アルコール依存症と自殺」
     〜北海道のAA有志の自殺リスクに関する調査から考えたこと〜
       医療法人こぶし 植苗病院 院長     芦澤 健 氏
    A「薬物依存症と自殺」
       日本ダルク代表・NPO法人アパリ理事長   近藤 恒夫 氏
基調講演:「アルコール・薬物依存症と自殺対策」 
     独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
      薬物依存研究部 診断治療開発研究室長
      自殺予防総合対策センター副センター長   松本 俊彦 氏
トークセッション: 芦澤 健 × 松本 俊彦 × 近藤 恒夫
           座長 北海道立精神保健福祉センター所長 田辺 等

※入場は無料で、事前申込の必要はありません。当日のご参加をお待ちしております。

◇ 精神保健福祉センターでは、こころの電話相談を次の時間帯で行っています。
月曜日から金曜日                    9:00〜21:00
土・日・祝日(12月29日〜1月3日を除く)          10:00〜16:00
                          Tel:0570-064-556
※ご相談の電話が集中しますと、つながりづらい状態になりますがご了承ください。

◇ HP・携帯版HPをご覧ください
北海道地域自殺予防情報センターのHPを開設しています。最新の北海道の状況を掲載して
おり、より情報を見やすく、分かりやすくお伝えできるよう心がけています。
パソコンHP  URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm

また、携帯電話で見ることができる携帯版HPも開設しています。警察庁および北海道警察
から公表された統計資料をもとに、北海道における自殺の状況を掲載しています。こちら
も併せてご覧ください。
携帯HP  URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/i/joukyou.htm

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【4】編集後記

暑中お見舞い申し上げます。熱中症により連日、全国で多くの方が搬送されていることが
報じられています。道外の暑いところで「Andante」をお読みいただいている方もいらっ
しゃると思います。涼しい北海道といえども油断は禁物です。十分な水分補給と休息を心
がけて、暑さに負けずにご活躍ください。

「Andante」をご愛読いただきありがとうございます。これからも皆様のお役に立つ情報
を読みやすくお伝えしたいと思っています。どうかよろしくお願いいたします。
次号Vol.50は、2013年8月末に配信予定です。

                               *お問い合わせ先*
                          北海道立精神保健福祉センター
                        札幌市白石区本通16丁目北6番34号
                                Tel 011-864-7121
                                Fax 011-864-9546
                   URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/
                   Mail  hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp