北海道の自殺対策について

北海道地域自殺予防情報センター

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試される大地                               H21.12.28
[ 北海道 ]        北海道の自殺対策について      Vol.005
〜自殺の実態を知ろう〜
  Hokkaido 
 Government                  発行:北海道地域自殺予防情報センター
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− 発行にあたって −
これまで北海道地域自殺予防情報センターでは、「北海道の自殺対策について」に替わる
タイトルを募集していました。皆さまからのご応募、本当にありがとうございました。来
月発行予定のVol.6より、新たなタイトルでメールマガジンを配信します!

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− 目 次 −
【1】北海道における自殺の現状
 ◇中高年世代の動機別自殺者数
【2】中年期の特徴
 ◇中年期危機
 ◇中年期の自殺の特徴
【3】お知らせ
 ◇こころの電話相談−相談時間を延長しました−
◇HPを開設しました
◇相談・支援者のための「自殺予防ゲートキーパー」研修
【4】編集後記
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【1】北海道における自殺の現状

前回のメールマガジンでは子どもや青年期の自殺に焦点を当てて見てきました。今回は、
働き盛りでありながら最も自殺者が多いと言われている中高年世代に焦点を当て、自殺の
現状について考えていきます。
※便宜上30歳未満を青少年、30歳〜59歳までを中高年、60歳以上を高齢者とします。
◇◇◇◇中高年世代の動機別自殺者数◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
警察庁調べによる平成20年の北海道における自殺者数は1,726名(男性1,215名、女性511名
)でした。その内、中高年世代における自殺は、895名(男性685名、女性210名)です。これ
は全自殺者数の割合で見ると、51.9%(男性56.4%、女性41.1%)であり、全体の約半数を
占めていることがわかります。
以下に、中高年世代における自殺者の原因・動機別の内訳を示します。
※動機については、3つまで選択可能となっているため、実数よりも多くなっています。

<平成20年 原因・動機別自殺者数>
              合計        男性       女性
●健康問題      296人(25.2%)   163人(18.0%)    133人(49.4%)
●経済・生活問題   326人(27.7%)   300人(33.1%)     26人( 9.7%)
●家庭問題      117人(10.0%)    71人( 7.8%)        46人(17.1%)
●勤務問題       106人( 9.0%)    101人(11.1%)       5人( 1.9%)
●男女問題        42人( 3.6%)       30人( 3.3%)        12人( 4.5%)
●学校問題         0人( 0.0%)       0人( 0.0%)      0人( 0.0%)
●その他        41人( 3.5%)     32人( 3.5%)      9人( 3.3%)
●不詳         247人(21.0%)   209人(23.1%)     38人(14.1%)

このように、中高年世代の男性の自殺者は「経済・生活問題」が33.1%と最も高く、次い
で「健康問題」が18.0%でした。一方、女性は「健康問題」が49.4%と自殺者の約半数を
占めており、次いで「家庭問題」の17.1%でした。

※自殺統計に関する資料は、以下のページでもご覧いただけます。
URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisathuyoboukanrenzyouhou.htm


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【2】中年期の特徴

ここまで見てきたように、中高年世代の男性は「経済・生活問題」「健康問題」、女性は
「健康問題」「家庭問題」を理由とした自殺が多いことがわかりました。そこで、今回は
中年期に生じる様々な危機に焦点を当てて考えていこうと思います。
◇◇◇◇中年期危機◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
中年期危機とは、中年にさしかかった人たちの多くが経験する精神的な危機を意味します
。中年期は出来事の多い世代であり、職場では責任ある立場を任されることで上司と部下
の板挟みの状態に陥り、家庭では子どもの自立によって引き起こされる社会的役割の喪失
などを体験する世代だと言われています。また、子どもの自立に伴う配偶者との関係の変
化、親の介護や死など、自分自身の問題だけでなく家庭内における自分の役割も大きく変
化する時期です。このような体験をどのように捉え、感じ、受けとめていくのかが中年期
や、その後の老年期の心理的な適応にとって重要な課題になると考えられています。

◇◇◇◇中年期の自殺の特徴◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
長期にわたる深刻な不況は中年期の人々にとって最大の自殺の要因だと考えられますが、
それに加えて、精神疾患や性格特徴、家族との問題、孤立傾向などの複数の要因が重なり
合って自殺が生じているのが現状です。職を失うことは心理的・経済的に大きな打撃とな
りますが、そのような人が周囲からのサポートを失う事態はさらに状況を深刻化している
と言えます。特に働き盛りの人の自殺は、職場でも家庭でも充分なサポートが得られない
状況で起きていると言われています。
特に男性は問題を抱えたとき、他者に救いを求めるという解決行動を取りにくく、自力で
解決すべきと考える傾向があります。その点女性は問題解決の幅が広く柔軟だと言われて
います。しかし女性は、他者との関わりの中で自分の役割を確認することが多いため、ど
の程度周囲からのサポートを得られるかが精神的な健康にとって重要であると言えます。


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【3】お知らせ

◇精神保健福祉センターでは、こころの電話相談の相談時間を延長しました。月曜日から
金曜日までは9:00〜21:00、土曜日曜祝日は10:00〜16:00まで受け付けております(1
2月29日〜1月3日を除く)。                Tell:0570-064556
※電話回線が1回線しかないため、ご相談の電話が集中しますとつながりづらい状態にな
りますが、ご了承ください。
※札幌市民の方は札幌こころのセンター(札幌市精神保健福祉センター)の相談をご利用く
ださい。                           Tell:011-622-0556

◇HPを開設しました
北海道地域自殺予防情報センターのHPを開設しました。より情報を見やすく、分かりやす
くなるよう心がけました。充実した内容になるよう、努めていきたいと思います。
URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm

◇相談・支援者のための「自殺予防ゲートキーパー」研修
地域や医療・保健・福祉、労働、教育等の様々な分野で相談支援活動を行っている方を対
象に「自殺予防ゲートキーパー」研修が、網走と旭川で行われました。この研修は道内6
ヶ所で行われる予定で、次回は1月16日に釧路、1月30日に帯広で開催されます。詳しくは
当センターまでお問い合わせください。
URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/shf/jisatuyobou.htm


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【4】編集後記

「北海道の自殺対策について〜自殺の実態を知ろう〜」をご覧頂きありがとうございます
。
早いもので今年最後の配信となりました。どうぞ、来年も引き続きご愛読をよろしくお願
いします。
先日、北海道内の精神保健福祉に携わる職員を対象としたトピックス研修「ギャンブル依
存症と多重債務」を開催しました。そこで司法書士の先生を講師としてお迎えし、お話を
伺いました。これまでほとんど関わることのない職業の方でしたが、債務整理の手続き方
法等の他にも、多重債務問題と自殺対策についてのお話を聴かせていただきました。1時
間ほどのご講演でしたが、先生の話に耳を傾けていると、たとえ莫大な借金があったとし
ても「何とかなるのかもしれない」と、解決への希望が持てそうな気持ちになりました。
心身共に疲弊しているときは心理的視野狭窄の状態となり、自殺以外の方法がないと思い
詰めることがあるのかもしれません。しかし、借金経済問題で悩んでいる場合は司法書士
などの専門家に相談をするとか、あるいは必要としている人に紹介することは、有効な解
決策の1つになるのではないでしょうか。
日本司法書士会連合会のURLを以下に示します。
URL:http://www.shiho-shoshi.or.jp/ 

次回Vol.6は2010年1月末に配信予定です。


*お問い合わせ先*
北海道立精神保健福祉センター
札幌市白石区本通16丁目6番34号
Tell 011-864-7121
Fax 011-864-9546
URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ hf/sfc/
Mail hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp