=============================================================================== [北海道] H25.9.30 ・゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゚* Andante **・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。 Vol.051 〜北海道の自殺対策について〜 Hokkaido 発行:北海道地域自殺予防情報センター Government (北海道立精神保健福祉センター内) ============================================================================== ******************************************************************************** ※『Andante:アンダンテ』とは 音楽用語で「ゆっくりと歩くくらいの速さで」という意味があります。他者に合わせるの ではなく、自分なりのペースで歩いていきましょう、という意味が込められています。 北海道地域自殺予防情報センターでは、皆さんと共に歩いていけるような「Andante」を 配信していきたいと考えています。 ******************************************************************************** − 目 次 − 【1】 北海道における自殺の現状 ◇ 平成25年8月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表] ◇ 死因順位別にみた自殺の状況[厚生労働省公表] 【2】 自殺対策について知ろう ◇ 自殺予防とインターネット 【3】 お知らせ ◇ こころの電話相談 ◇ HP及び携帯HPをご覧ください 【4】 編集後記 ******************************************************************************** 【1】北海道における自殺の現状 ◇平成25年8月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 警察庁より平成25年8月末の月別自殺者数の暫定値が発表されました。 平成25年8月の北海道の自殺者数は113人でした。また、全国の自殺者数は2,159人、その うち男性は1,450人、女性は709人でした。 以下に、北海道および全国の前月比と前年同月比の自殺者数を示します。 1. 平成25年8月末と平成25年7月末の月別自殺者数の比較 (単位:人) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− H25年8月<北海道 113人、全国2,159人、全国(男性)1,450人、全国(女性)709人> H25年7月<北海道 118人、全国2,268人、全国(男性)1,544人、全国(女性)724人> 前 月 比<北海道 -5人、全国 -109人、全国(男性) -94人、全国(女性)-15人> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成25年8月の自殺者数は、前月比では北海道、全国、全国男性、全国女性の全てで減少 しました。また都道府県別では、自殺者数が増加したのは20、減少したのは24、増減なし は3でした。 2. 平成25年8月末と平成24年8月末の月別自殺者数の比較 (単位:人) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− H25年8月<北海道 113人、全国2,159人、全国(男性)1,450人、全国(女性)709人> H24年8月<北海道 128人、全国2,242人、全国(男性)1,543人、全国(女性)699人> 前 年 比<北海道 -15人、全国 -83人、全国(男性) -93人、全国(女性)+10人> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 前年同月比においては北海道、全国、全国男性が減少しましたが、全国女性は増加しまし た。また都道府県別でみると、自殺者数が増加したのは25、減少したのは21、増減なしは 1でした。 ◇死因順位別にみた自殺の状況[厚生労働省公表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 厚生労働省から、平成24年度の「人口動態統計」確定値が公表されました。「人口動態統 計」による主な死因順位を以下に示します。(※( )内は人口10万対の死亡率) 北海道における平成24年の死因順位は、1位「悪性新生物」(333.3)、2位「心疾患」 (173.9)、3位「肺炎」(104.3)、4位「脳血管疾患」(93.4)、5位「老衰」(35.1)、 6位「不慮の事故」(30.0)、7位「腎不全」(27.5)で、「自殺」(22.2)は8位となっていま す。北海道では「自殺」の死因順位は平成7年から平成21年まで6位でしたが、平成22年に 7位になり、平成23年からは8位です。自殺の死亡率は平成22年が25.4で平成23年が24.0、 平成24年が22.2と徐々に下がってきています。 全国の平成24年における主な死因順位は、1位「悪性新生物」(286.6)、2位「心疾患」 (157.9)、3位「肺炎」(98.4)、4位「脳血管疾患」(96.5)、5位「老衰」(48.2)、 6位「不慮の事故」(32.6)、に次いで、「自殺」(21.0)は7位となっています。自殺の死亡 率は平成22年が23.4、平成23年が22.9、平成24年が21.0と低下傾向です。全国の「自殺」 の死因順位は平成8年から平成19年までは6位でしたが、平成20年以降は7位が続いていま す。平成24年の死因順位を男女別にみると、男性の自殺の死亡率は30.1で6位ですが、女 性は12.3で8位となっています。 ******************************************************************************** 【2】自殺対策について知ろう ◇自殺予防とインターネット◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 自殺とインターネットの関連というとネットいじめによる自殺や、2000年代に問題となっ たネット心中、硫化水素自殺の群発などのマイナスの側面を思い浮かべる方も多いのでは ないでしょうか。提供される情報量の多さ、24時間いつでも、遠隔地とでも簡単につなが るなどの便利さから、生活に欠かすことのできない存在となったインターネットです。し かし、使い方によっては、自殺の危機に瀕している人の背中を押すことになってしまうの も事実です。 自殺予防のために有害な情報を排除するという動きがあります。一方ではインターネット の特性を、自殺予防に活かすための取り組みや研究も行われています。 情報を提供する、もしくはメールなどでの双方向のやりとりをする対象者としては自殺に 傾いている人と、その周囲の人々が考えられます。さらには職場や社会に向けて広く啓発 活動を行うことも可能です。自殺を考えている本人(自殺念慮者)に対しては、立ち止ま って自らの状況を客観視する機会を提供したり、対面の相談行動へ導入するきっかけを提 供することが期待されます。周囲の幅広い関係者に対しては、早期に必要な介入対応をす るための支援を提供することが期待されています。 自殺に傾いている人に対して、大きなメリットと考えられるのはインターネットの匿名性 でしょう。自分のつらさを人に知られたくない、話してもわかってもらえないと感じてい る人には、匿名で必要な情報を得たり、気持ちを吐露する場を提供します。さらに24時間 いつでも利用可能で、嫌になったらいつでも一方的にアクセスをやめることができます。 人と面と向かうときのようなわずらわしさがありません。支援につながる最初の第一歩を 踏み出しやすくしているといえます。 そして重要なのはここから先であり、いかに有用な情報を提供するか、必要な支援へと導 くかが求められます。提供する情報としては自殺念慮の状況についての専門知識、立ち直 り事例・体験談、選択肢の想起誘導などがあげられます。支援や相談に向かわせるものと して、受診や相談の仕方や相談内容別の具体的な相談先の情報などがあります。さらに、 同じように自殺を考えている人たちによる自助グループ的なやり取りが、自殺予防的に働 くとする研究もあります。内容とともに、必要な情報や資源にいかにたどり着きやすくす るか、そしてその効果をいかに実証していくかが今後の課題となっています。 参考資料:「行政担当者のための自殺予防対策マニュアル」自殺予防総合対策センター 平成16年4月 http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/manual/gyosei/gyosei28.pdf 「インターネットは自殺を防げるか −ウェブコミュニティの臨床心理学とその実践」 末木 新 東京大学出版会 平成25年 ******************************************************************************** 【3】お知らせ ◇ 精神保健福祉センターでは、こころの電話相談を次の時間帯で受け付けています。 月曜日から金曜日 9:00〜21:00 土曜日曜祝日(12月29日〜1月3日を除く) 10:00〜16:00 Tel:0570-064556 ※ご相談の電話が集中しますと、つながりづらい状態になりますがご了承ください。 ◇ HP・携帯版HPをご覧ください 北海道地域自殺予防情報センターのHPを開設しています。最新の北海道の状況を掲載して おり、より情報を見やすく、分かりやすくお伝えできるよう心がけています。ぜひご覧く ださい。 パソコンHP URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm また、携帯電話で見ることができる携帯版HPも開設しています。警察庁および北海道警察 から公表された統計資料をもとに、北海道における自殺の状況を掲載しています。こちら も併せてご覧ください。 携帯HP URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/i/joukyou.htm +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- <Andante Vol.50掲載内容についてのお詫びと訂正> 8月30日配信のAndante Vol.50の目次に一部誤りがありました。お詫びを申し上げますと ともに、下記のとおり訂正します。 訂正前 − 目 次 − 【1】 北海道における自殺の現状 ◇ 平成25年6月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表] ◇ 平成25年1月〜6月の自殺者数(暫定値)[警察庁発表] 【2】 自殺について知ろう ◇ 過労自殺と労災認定について 訂正後 − 目 次 − 【1】 北海道における自殺の現状 ◇ 平成25年7月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表] ◇ 平成24年中の北海道における原因・動機別自殺者数 【2】 自殺問題について知ろう ◇ 自殺と睡眠 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ******************************************************************************** 【4】編集後記 今回は「自殺予防とインターネット」というテーマに取り組みましたが、まだまだ学ばな くてはいけないことがたくさんあると感じました。もう少し整理できたら、続編をお届け したいと思っています。 このメールマガジンAndanteも、インターネットを活用した自殺予防の取り組みのひとつ です。ご購読いただいている皆様に少しでもお役に立つ情報を、わかりやすい形でお伝え するためにはどうしたらいいのか、これからも探り続けていきたいと思っています。 ご愛読をよろしくお願いいたします。 次号Vol.52は、2013年10月末に配信予定です。 *お問い合わせ先* 北海道立精神保健福祉センター 札幌市白石区本通16丁目北6番34号 Tel 011-864-7121 Fax 011-864-9546 URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/ Mail hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp