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[北海道]                                H29.7.31
・゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゚* Andante **・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。  Vol.097

              〜北海道の自殺対策について〜

 Hokkaido                  発行:北海道地域自殺対策推進センター
 Government                 (北海道立精神保健福祉センター内)
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※『Andante:アンダンテ』とは
「ゆっくりと歩くくらいの速さで」という意味の音楽用語です。ゆっくりと自分にとって
適度なスピードで歩いているとき、私達の視野はいつもよりぐっと広がり、忙しく過ごす
中では見過ごしがちなものに気が付くことがあります。北海道地域自殺対策推進センター
では、皆さんと共に歩いていけるような「Andante」を配信していきたいと考えています
。
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− 目 次 −
【1】 北海道における自殺の現状
◇ 平成29年6月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]
◇ 平成28年中の北海道における原因・動機別自殺者数(確定値)[警察庁発表]
【2】 自殺について知ろう
◇ 自殺未遂(『ワンストップ支援における留意点』より)
【3】 お知らせ
◇ こころの電話相談
◇ HP及び携帯HPをご覧ください
【4】 編集後記
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【1】北海道における自殺の現状

◇平成29年6月末の自殺者数(暫定値)[警察庁発表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇
警察庁より平成29年6月末の月別自殺者数の暫定値が発表されました。
平成29年6月の北海道の自殺者数は91人でした。また、全国の自殺者数は1,820人、そのう
ち男性は1,254人、女性は566人でした。
以下に、北海道および全国の前月比と前年同月比の自殺者数を示します。

1.平成29年6月末と平成29年5月末の月別自殺者数の比較 (単位:人)
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H29年6月<北海道  91人、全国 1,820人、全国(男性) 1,254人、全国(女性) 566人>
H29年5月<北海道 102人、全国 1,974人、全国(男性) 1,358人、全国(女性) 616人>
前月比 <北海道 -11人、全国  -154人、全国(男性)  -104人、全国(女性) -50人>
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平成29年6月の自殺者数は、前月比では北海道・全国・全国男性・全国女性の全てにおい
て減少でした。都道府県別では、自殺者数が増加したのは19、減少したのは26、変化なし
は2でした。

2. 平成29年6月末と平成28年6月末の月別自殺者数の比較 (単位:人)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
H29年6月<北海道 91人、全国 1,820人、全国(男性) 1,254人、全国(女性) 566人>
H28年6月<北海道 88人、全国 1,862人、全国(男性) 1,288人、全国(女性) 574人>
前年比 <北海道 +3人、全国  -42人、全国(男性)   -34人、全国(女性)  -8人>
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前年同月比では、北海道において増加、全国・全国男性・全国女性において減少でした。
また、都道府県別でみると、自殺者数が増加したのは23、減少したのは22、増減なしは2
でした。

◇平成28年中の原因・動機別別自殺者数(確定値)[警察庁発表]◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今月は先月に引き続き警察庁『平成28年中における自殺の概況』(確定値)、および厚生
労働省「地域における自殺の基礎資料」(発見日・発見地集計)より北海道における男女
別原因・動機別自殺者数をまとめます。表中()内は前年比です。

1. 北海道における平成28年中の原因・動機別別自殺者数、および前年比 (単位:人)
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道内自殺者総数<総数 1,004人(-12%)、男性 714人( -7%)、女性 290人(-24%)>
家 庭 問 題 <総数  166人(-10%)、男性 107人( -3%)、女性  59人( -21%)>
健 康 問 題 <総数  349人(-23%)、男性 190人(-21%)、女性 159人( -26%)>
経済・生活問題 <総数  188人( -8%)、男性 166人( -5%)、女性  22人( -29%)>
勤 務 問 題 <総数  116人( -2%)、男性 103人( -5%)、女性  13人( +30%)>
男 女 問 題 <総数   40人( -9%)、男性  28人( -3%)、女性  12人( -20%)>
学 校 問 題 <総数   15人(+25%)、男性  11人( 0%)、女性   4人(+300%)>
そ の 他   <総数   50人(-32%)、男性  36人(-18%)、女性  14人( -52%)>
不 詳     <総数  354人( -9%)、男性 258人( -4%)、女性  96人( -21%)>
合 計    <総数 1,278人(-14%)、男性 899人( -9%)、女性 379人( -24%)>
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※「原因・動機特定者」とは、少なくとも1つの原因・動機が特定されている自殺者。原
因動機を3つまで計上可能としているため、総数と原因・動機別自殺者数の和は一致しな
い。

平成28年北海道における男女別、原因・動機別の自殺者数をみると、「不詳」・「その他
」を除くと「健康問題」が最も多く、次に「経済・生活問題」、「家庭問題」、「勤務問
題」と続きます。男女別にみると、男性、女性ともに「健康問題」が一番多いのですが、
男性は次に「経済・生活問題」、女性は「家庭問題」と続きます。
前年比をみると、多くは減少していますがその中でも「健康問題」が最も減少し、逆に「
学校問題」には増加がみられました。男女別にみると、男性は「学校問題」において前年
同数、それ以外全て減少でしたが、女性は「学校問題」・「勤務問題」において増加がみ
られました。

参考文献
厚生労働省、「地域の自殺の基礎資料」


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【2】自殺について知ろう

◇自殺未遂(『ワンストップ支援における留意点』より)◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『自殺を予防する 世界の優先課題』(世界保健機関著 自殺予防総合対策センター訳、
2014)によれば、「(個人の危険因子のなかで、)いままでのところ、将来の自殺の危険
の最大の指標は、過去における1回以上の自殺企図である。自殺企図の1年後でさえ、自殺
の危険と他の原因による早期死亡の危険は高いままである」とあります。
このことからも自殺未遂者への介入・支援は自殺予防対策の中でも最も大切な課題の一つ
であるといえるでしょう。しかし、自殺未遂者への支援は、その人の取り巻く状況が切迫
されているケースが多く、心理的にも追い詰められており非常に困難です。今回は『ワン
ストップ支援における留意点』(一般社団法人日本うつ病センター、2017)より自殺未遂
者特有の心理状態や具体的な対応のポイントなどについてまとめてみたいと思います。

救命直後の未遂者の状況
・“心理的視野狭窄”と呼ばれる、自殺に追い込まれた人特有の心理状態に陥っている
自殺に追い込まれた状況そのものは、解決されていない
・身体的、精神的な疲労、体力の著しい低下に見舞われている
・身体的後遺症が残っている場合もある
・経済的な負担(生活費、高額な医療費)が増している
・自分の自殺行為に関する社会的な説明(家族や職場、友人等に対する)が要求されてい
る
・家族など身近な人々も混乱している

支援における10のポイント
@ 自殺未遂や自傷行為は、最も強力な自殺のリスク因子であることを理解しておく
A 自殺行為や病気の診断名ではなく、その人の“生きにくさ”に焦点をあてる
B 危機や苦痛の伝達、クライシスコール(crisiscall)としてとらえる
C 追い込まれた状況をとらえるという視点を大切にする
D 直前のエピソードに囚われすぎない
E 自殺未遂者にとって、“望まぬ救急搬送”・“死による困難からの解放の阻止”・“
望まぬ精神科受診の促し”という3つの非自発性(自らが望んでいない事態)を理解して
おく
F かかわる時間に関係なく、ファーストコンタクトを重視する
G 現在の危険度を評価する
H 社会資源につながるだけでなく、“生きる”ことへの支援を考える
I 支援者支援の準備をする

自殺未遂者の心理状態
自殺とは“追い込まれた死”であり、自殺を企図した者の個人的な責任を問うべき問題で
はない。彼らは、「死にたい」と考えているというより、身の回りに存在する様々な解決
方法や手段が見えなくなっており、「自殺だけが唯一の解決方法だ」「死んで全てを終わ
りにしたい」という気持ちに支配されており、いわゆる心理的視野狭窄状態にある。

・「生きたい」気持ちと「死にたい」気持ちの間を揺れ動き、誰かに助けを求めている
・絶望的にとらわれて孤立感に陥りやすい
・自信を失い、自分は価値がないと思いがちである
・窮状をもたらした他者や社会に対して強烈な怒りを持つ
・窮状が永遠に続くという確信を持つ
・考え方や物の見方に柔軟性を欠き、合理的な解決ができない
・自殺だけが唯一の解決方法だと思い込んでしまう

自殺企図についてたずねる際のポイント
自殺企図の問題(動機など)について話題にすることは、自殺の再企図予防につながる。
その際には、「TALK」の原則で対応することが重要である。

推奨される問いかけ
・「話せる範囲でいいので、私で良かったら話していただけますか」
・「今でも自殺したいと考えていますか」
・「自殺したいほど辛かったのですね」
・「今ここにいるのは、あなたと私だけだから大丈夫ですよ」

避けるべき問いかけ
・「自殺はしてはいけないことだ」といった教えを説くような対応
・「死にたいなんて弱音を吐くな」など、自殺の意志を咎めようとする
・「大した問題ではない」と過小評価する
・「死ぬ気があれば何でもできる」などといった安易な励ましをする

今回は『ワンストップ支援における留意点』の自殺未遂歴の項目より一部抜粋、編集して
ご紹介しました。誌面の関係上具体的な内容や詳しい説明等は省いております。より正確
で詳細な内容についてお知りになりたい方は本誌の方を御一読下さい。繰り返しになりま
すが、自殺未遂歴の有無は自殺のハイリスク者に注意を向ける上で最も重要なリスクファ
クターの一つです。現在各機関のホームページ等で公開されているデータに限りはありま
すが、今後より細かなクロス集計や具体的な支援体制整備等、自殺未遂歴の有無に関する
分析・研究が進められることを期待したいと思います。

参考文献
日本うつ病センター、『ワンストップ支援における留意点−複雑・困難な背景を有する人
々を支援するための手引き−』、2017

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【3】お知らせ

◇ 精神保健福祉センターでは、こころの電話相談を次の時間帯で行っています。
月曜から金曜日                    9:00〜21:00
土曜日曜祝日(12月29日〜1月3日を除く)   10:00〜16:00
Tel:0570-064-556
※ご相談の電話が集中しますと、つながりづらい状態になりますがご了承ください。

◇ HP・携帯版HPをご覧ください
北海道地域自殺対策推進センターのHPを開設しています。最新の北海道の状況を掲載して
おり、より情報を見やすく、分かりやすくお伝えできるよう心がけています。
パソコンHP  URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/jisatutaisaku.htm

また、携帯電話で見ることができる携帯版HPも開設しています。警察庁および北海道警察
から公表された統計資料をもとに、北海道における自殺の状況を掲載しています。こちら
も併せてご覧ください。
携帯HP  URL:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/i/joukyou.htm

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【4】編集後記

最近の北海道は寒暖の差が大きくなっています。先日全国1位の気温を記録したかと思え
ばその数日後には20度をきる肌寒い日もありました。天気も移ろいやすく寝苦しい日も多
いように思います。そのためか風邪を引くなど体調を崩される方も多いようです。夏風邪
は治りにくいとも聞きますし、体調には十分ご注意下さい。

いつもご愛読ありがとうございます。
次号Vol.98は、2017年8月末に配信予定です。

                                                        *お問い合わせ先* 
                                                北海道立精神保健福祉センター
                                               札幌市白石区本通16丁目北6番34号
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                                                              Fax 011-864-9546
                                    URL  http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sfc/
                                    Mail   hofuku.seishin1@pref.hokkaido.lg.jp