北海道デジタル図鑑
データベース検索 情報の小径 50音インデックス サイトマップ ヘルプ ホーム

自然歴史伝統・文化観光・スポーツ
本サイトのご利用にあたって
100の物語[自然]

長い冬からのおくりもの、雪
 地域によって多少ことなりますが、北海道は、平地でも1年の約3分の1が雪におおわれています。時に激しく降って、生活にさまざまな不都合をもたらす雪。しかし、北海道の暮らしは雪とともにあり、独自の文化や伝統の成り立ちに大きく関わっています。 雪のイメージ
雪の結晶
 歌や小説のなかによく「雨が雪に変わる」という表現があります。しかし、これは科学的には正しい描写とはいえません。雨は上空で降り始める時にはいつも雪の状態で、地上に落ちる途中でとけて雨に変わります。つまり、雨が凍って雪になるのでなく、雪がとけて雨になるのです。
 雪は上空の気温、水分量を反映してさまざまな形に成長して、同じ形のものが二つとない神秘的な結晶になります。雪の結晶は中心から6本の枝がでた花のような六花(ろっか、りっか)と呼ばれるもの、板状、六角柱、針状のものに分類されますが、どれも六角を基本としています。
針 つづみ型 砲弾集合 角板 樹枝つき角板
■針 ■つづみ型 ■砲弾集合 ■角板 ■樹枝つき角板
樹枝つき角板 広幅六花 扇形 樹枝状 十二花
■樹枝つき角板 ■広幅六花 ■扇形 ■樹枝状 ■十二花
(写真提供:北海道大学低温研究所雪氷相転移ダイナミクス研究グループ・古川義純さん)
雪を利用する暮らし
 札幌市の人口は約185万人(2010(平成22)年国勢調査)、年間の平均降雪量は385cm(1981年〜2010年までの30年間の平均値)。世界中を探しても、これほど雪が降る場所に大都市がある例は見当たりません。札幌市が除雪などに使う雪対策費用は、年間約150億円前後、市民一人あたり約8,200円が毎年雪のために使われています。雪のある暮らしは出費を伴うばかりではなく、雪害や交通障害なども引き起こします。
 しかし、雪を「やっかいもの」としないで、積極的に利用しようという動きもあります。道内の米どころの沼田町には雪を利用した米の低温貯留乾燥調製施設があります。また、美唄市には雪冷房システムを導入したマンションと老人ホームなどができ、そのほかの利用の研究も盛んです。どちらのまちも、冬に雪が多く、夏は暑いのが特徴で、雪を貯蔵して夏の冷却エネルギーとして利用しています。
札幌の冬にかかせない除雪車
■札幌の冬にかかせない除雪車
車道に降り積もった雪は、除雪車が道路わきによせていく。 (写真提供:札幌市建設局)
夜間の除雪作業
■夜間の除雪作業
大雪の次の日でも、快適な通行ができるよう、住民が寝静まった深夜のうちに、除雪作業が行われる。 (写真提供:札幌市建設局)
ササラ電車
■ササラ電車
線路についた雪をはねとばしながら走る、竹で作ったササラを装着した路面電車は、札幌の冬の風物詩。(写真提供:札幌市交通局)
沼田町の低温貯留乾燥調製施設
■沼田町の低温貯留乾燥調製施設
雪の冷気で保存する「雪中米」が収納されている低温施設。雪室には、ダンプおよそ500台分の雪が入れられる。(写真提供:沼田町)
 
関連するデータベース
雪博士、中谷宇吉郎
 1932年、北海道大学理学部物理学科教授だった中谷宇吉郎(1900〜1962)は、結晶の美しさに魅せられて雪の研究を始め、5年間で3,000枚にも及ぶ雪の結晶の写真を撮影して分類を行い、1936年には世界で初めて人工的に雪の結晶を作ることに成功しました。
 これらの研究によって、中谷宇吉郎は雪の結晶と上空の気温や水分量の関係を解き明かし、雪の形を見れば上空の気象が分かることから「雪は天からの手紙である」という言葉を残しています。

関連する100の物語
雪の季節の到来を知らせる虫
雪の森
 毎年、初雪の前になるとフワフワと舞い冬の訪れを知らせる雪虫は、正式にはトドノネオオワタムシといいアブラムシの一種です。雪虫はその名前のとおり、トドマツの根の樹液を吸いながら生きています。しかし、気温や日照時間の変化を敏感に感じ取って、初雪が降る前になると越冬するためにヤチダモの木に引越しをします。
 北海道の風物詩ともいえる雪虫が舞う光景は、トドノネオオワタムシの引越しだったのです。
関連リンク
画像および文章の無断使用・複製・再配布を禁じます。


参考文献一覧画像提供元一覧情報の小径50音INDEXページのトップへホーム